2007年07月17日

緊迫の「天空の蜂」

前にチラっと紹介した、東野圭吾の「天空の蜂」を読み終えました。


季節が同じ夏、偶然にも数日前の新潟地震で、原子力発電所から微量の放射能物質が放出された(人体には影響がないレベル)、という小説とクロスオーバーする点があったので、更に緊迫感がありました。



一言でこの本の感想を言うとするなら「映像化にしてほしい!」ですね。



映像化にしてほしいくらい、様々な場面に緊張感と興奮とドキドキ感があるんです。
ひとつ問題が解決したと思ったら、また新たな問題が。
どうやって解決していくのか?
犯人の思惑は何なのか?


あらすじは―
錦重工業が防衛庁に納入予定だった掃海ヘリ「ビッグB」が最終チェック飛行直前に、何者かの遠隔操作によって飛び立った。
ちょっとした子供たちのいたずらで、開発メンバーの一員である山下の息子・恵太がヘリに乗り込んでいた。
恵太の存在に気付かなかった犯人は、「ビッグB」を離陸させ、敦賀の原子力発電所上空でホバリングさせる事に成功する。
犯人の目的は、日本で稼動・点検中の原発を全て使用不能にする事だった。
政府が要求を飲まない場合は、高速増殖原型炉『新陽』に「ビッグB」を墜落させる、との脅迫状が政府・役所・原発等に届けられた。
恵太の救出と原発施設周辺の安全確保、犯人捜査という、いくつもの難題が突き付けられる事となった。




なんで「映像化してほしい」かと言うと、子供である恵太を救出するシーンがあるんだけど、文章を読んでいるだけでもすごくドキドキするんです。
今まで泣いていた恵太も勇敢な少年に大変身するし、レスキュー隊の命をかける仕事ぶりにも脱帽させられます。


よく小説には主人公が出てきますが、この「天空の蜂」には主人公と言える主人公がいないんです。
みんなが主人公だから。
それだけ関係者一人一人の人物像や行動がシーン毎にフューチャーされているんです。
朝方からお昼の10時間がこの小説の舞台。
たった10時間しかないのに、10時間以上の濃厚な時間が流れています。


この「天空の蜂」のテーマは非常に重いです。
”原子力発電所”という、当たり前のように存在するものを、実際私たちは本当に理解しているのか?
正直、私は理解していません。
私のような人間がいるからこの小説は成り立っているんでしょうね。


600ページもの分厚い小説。
「読めるかな~???」って不安で読み始めましたが、読み始めると先が気になって気になって仕方なかったです。
自分の生活スタイルを反省したり、知識の無さにショックを受けたり、すごい数の登場人物で頭がぐちゃぐちゃになった瞬間もありましたが、読み終わった後は”犯人の無念さ”がチクリと胸にささりました。

razz_0120 at 14:14│Comments(0)TrackBack(0)book 

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