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2008年03月18日

森博嗣「Φは壊れたね」

前から気になっていた森博嗣のGシリーズがやっと文庫になったので読んでみました。
タイトルからすごい惹かれるんだもん。
今回読んだのは「Φは壊れたね」
このタイトルから何を想像しますか???


これから文庫化されるのが、「θ(シータ)は遊んでくれたよ」「τ(タウ)になるまで待って」「ε(イプシロン)に誓って」「λ(ラムダ)に歯がない」「η(イータ)なのに夢のよう」。
私は読破しようと思ってます。


っで、今回読んだ「Φ(ファイ)は壊れたね」。
読み終わったのは先週末。
その後、すぐに体調が悪くなり、結局今になっての感想になってしまいました。
読んだ直後じゃないので、勢いでは書けないですね。



友人宅へ遊びに行っていた山吹は、上階から女子大生2人に合鍵を貸して欲しいと頼まれます。
住人である友人は買い物に出てしまっており、電話でこの旨を話すと、どうやら友人は代理管理人を任されてるとの事。
合鍵を持って上階宅へ行き、鍵をあける。
鍵を開けてもらった女子大生2人は中の様子に驚くのです。
そこにはYの字に吊るされた死体があったから。
この部屋は密室。
「Φは壊れたね」と書かれたビデオテープ。
この事件に偶然にも関わってしまった山吹は、友人の海月や加部谷、大学の指導員の西之園らと共に謎を解いていくことに。



すごく読みやすいんです。
事件慣れしていない主人公(私がよく読む推理小説は事件慣れしてる人が主人公だから)が一生懸命友人らと考えながら事件の謎を解いていくあたりは、私も一緒に考えてるような気分になってました。
口数の少ない海月くんは、様々な証拠や状況から犯人を理論立てて特定するシーンは安楽椅子探偵のよう。
安楽椅子探偵ってかっこいいわ~。
現場にいなくても、散りばめられたピースをひとつずつはめていって、最後は見事ひとつの絵になって犯人を言い当てる。
たくさんの知識と観察力がないと安楽椅子探偵にはなれませんね。


ただ、ただ、犯人はわかっても、「Φ」の意味がいまいちよくわからない私には、タイトルと中身の関連性が理解できないまま終わってしまいました。
きっと、これから読むであろうGシリーズの全てがそうなんだろうな~って思います。
あまり深く考えないでおこうっ!!



razz_0120 at 16:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年02月29日

津村秀介「猪苗代湖殺人事件」

ルポライター浦上伸介シリーズの「猪苗代湖殺人事件」(著:津村秀介)を読みました。
私は読んだ推理小説がおもしろかったら、その人の本を集中的に買い集めてしまうんです。
更に、シリーズ化されていればなお更、そのシリーズを集めてしまいます。
今回の「猪苗代湖殺人事件」も、ルポライター浦上伸介が登場しているので読んだわけなんです。


登場人物である浦上伸介は「警察に変わって自分で事件を解決するぞ!!」っていうタイプではないんです。
自分が掲載する雑誌に、より詳しく事件の実態を書くために、現場へ何度も赴き、時刻表をめくってはアリバイ崩しを考えるんです。


今回の事件は、通学途中の中学生が猪苗代湖で女性の死体を見つけたことから始まります。
同じ時刻、同じ場所で、さらにもう一体、男性の死体も見つかります。
ただの偶然か?
そして死体のそばには8人の名前が載ったリストが見つかります。
ルポライターの浦上伸介と新聞社の新人記者小川みゆきが事件を調べ始めます。


怪しい人物として浮上してきた2人の男女。
2人には動かぬアリバイが。
だけど、犯人はこの2人しか考えられない。
確固たるアリバイは「そこにいなかったことを証明するもの」と考え、2人はアリバイ崩しにかかります。
アリバイが崩れたと思った途端、容疑者はまた新たなるアリバイを主張し始め、またも推理は暗礁に―。


推理小説のおもしろさは、このアリバイ崩しにありますね。
いろんな交通機関を使ってアリバイを崩す。
犯人にとっても大変ですよね。
頭の中で考えただけでは本当に通用するのかわからないから、実際に考えた交通機関を使ってアリバイ作りを考えていくんでしょうね。
「いつどんなハプニングが起こるかわからない」なんて考えると、私にはアリバイ作りなんて無理です。
それに、いろんな推理小説を読んできたけど、小説にあるような完全犯罪なんて考えられない!!
作家さんの頭の中はどんな風になってるんだろう???

razz_0120 at 15:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年02月11日

真山仁「虚像の砦」

推理小説はちょっと置いといて、放送業界の内幕を描いた長編小説「虚像(メディア)の砦」を読みました。
「ハゲタカ」を書いた真山仁さんの作品なんですが、テレビ局、それを取り巻く政・官組織の見えない部分をグイっと鋭く描いた内容なんです。


報道とはいったい何か?
テレビは何を伝えればいいのか?
ジャーナリストの精神とは何か?


中東で3人の日本人が誘拐されたと一報を受けた一人の報道マン・風見が、企業組織の中で様々な抵抗を受けながらも、現場ではいったい何が起こっているのか?真実は何なのか?を伝えるために、危険を顧みずに現地へ赴きます。
危険な地域へ自ら足を踏み入れた3人に自己責任がある!
政府には一切責任はない!
「自業自得」「自作自演」という線で事件を集結させたい政府の意向を感じ取った報道マン・風見は、命をかけ拘束されている3人に会い、彼らの真意を確かめる。

一方、”無敵の笑い”を作りたいとバラエティー番組を作っている敏腕プロデューサー黒岩は、一緒にバラエティー番組を作っていた幼なじみで落語家の菊の輔から「テレビから引退しようと思っている」と言われてしまう。
本業の落語家に戻り、”無敵の笑い”を作り上げている彼の姿を見て、次第に視聴率に縛られ自分を見失っていたことに気づく。


後日、誘拐事件をドキュメント番組として放送することが決まるが、大物議員によって内容を大きく修正されてしまう

なぜ、議員によって表現の自由を奪われなければならないのか?
そこには、テレビ局の存亡を大きく揺るがすある筋書きが出来上がっていた。


文庫本の最後の”解説”で、「ハゲタカ」は映像化が出来たけど、この「虚像の砦」は多分映像化はできないだろう、と書かれていました。
テレビ局の醜い部分を描いているだけに、そのテレビ局がドラマにするわけはない!というわけです。


私たちはテレビによって見たもの、聞いたものが”全て”になっています。
それは、とっても恐ろしいこと。
全てが正しいというわけではないからです。
でも、正しいのかどうなのかは、たくさんの知識を持ち合わせていないと判断できない悲しい状況です。
だからこそ、メディアが報じる情報の信用性、信憑性が大事になるんですよね。


テレビ局がどういうところなのか、私にはとっても謎の世界。
この小説を通して、少しその謎の世界を垣間見ることができたように感じます。

razz_0120 at 15:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年01月05日

東野圭吾「天使の耳」

年末に東野圭吾の「天使の耳」という短編集を読みました。
6作品収録されているんだけど、全てが交通警察で扱う事件なんです。


運転中話に夢中になって瞬間的に信号を見落としたことによる衝突事故。
急いでるから…という理由で横断歩道ではない分離帯を渡る主婦。
若葉マークのドライバーをいたずらに煽って起こった事故。
高速道路を走行中、前の車から捨てられた空き缶が目に当たって失明。
路上駐車が原因で子供を助けられなかった夫婦。


どれも「このくらい…」「自分だけではないし…」「ちょっとだけだし…」って思ってしまうようなことだけど、この「ちょっとしたこと」がとんでもない事故を引き起こしてしまって、さらには人の命までも奪ってしまうんです。


ここ数年、飲酒運転がかなり強化されてますが、まだまだ”交通事故”はたくさん起こっています。
芸能人による接触事故や人身事故もニュースになってますよね。
(沢尻エリカやTERUも…)
この小説を読んでいてすごく怖くなりました。
私が普段読んでいる推理小説は完全なるフィクション。
これはあくまでも小説上のことで、自分の生活とはかけ離れています。
でも、この「天使の耳」に収録されている6作品は、自分にも起こりえる身近な事件や事故なので、だから余計に怖かったんです。


「ちょっとくらい」という心の油断がとんでもないことになるかもしれないので、気をつけなければいけないですね。



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2007年12月14日

北山猛邦「『クロック城』殺人事件」

ここ数日、雨が多かったので家の前のイチョウ並木はかわいそうなくらいハゲハゲになってました。
道には落ち葉になったイチョウの葉が散乱…。
この前までは黄色の葉がキレイだな~って思ってたのに、雨と風にやられちゃってました。
こういう光景を見ると冬だな~って思います。
♪冬がはじまるよ~♪とマッキーの曲を思い出した今日の朝。


話は変わって、以前東野圭吾の文庫本を送ってくれた本社の人からまたドサ~っと文庫本が届きました。
あまりの多さにビックリ!!
すぐには読めないけどゆっくり読んでいこうと思ってます。


この前読み終わった文庫本があったんですけど、これまた不思議なお話でした。
北山猛邦さんの「『クロック城』殺人事件」という、タイトルからしてベタな推理小説だと思って読み始めたら、「」いっぱいの内容でした。


まず設定がありえない!
幽霊退治を専門にしている探偵が主役なんです。
それも、磁気異変で”世界が滅亡へと向かっている”という時代背景。
なんじゃこりゃ???と思いながら読んでいました。


依頼者である瑠華に連れられて彼女の家「クロック城」へと探偵ミキと幼なじみ奈美がやってくるんだけど、ここの住人たちが次々と殺されるんです。
その殺され方がスゴイ。
いわゆる首ナシ死体でクロック城で発見されるんです。
犯人は内部の人間であることは間違いないけど、館の造りからして殺人を犯すのは不可能。
いったいどうやって不可能犯罪を可能にしたのか?
また動機は何か?


首ナシ死体が発見されたあたりから、これってもしかしたらおもしろい!?って感じになってきて、知らない間にページが進んでました。
「犯人は○○だ!」と謎解きをした瞬間に犯人は自殺。
これで事件解決と思いきや、「実は犯人は□□です」と別の人物による謎解きが始まるんです。
「え~!?この人が犯人???」って思ったら、「本当の犯人は△△です」と、3度目の謎解き。
最後の最後、本当に残り数ページで真犯人と動機がわかる推理小説だったんです。


幽霊退治やら磁気異変やら、なんか変な世界だったけど、謎解きとしては最後まで楽しませてくれました。



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2007年11月16日

折原一「叔母殺人事件~偽りの館~」

久しぶりにやられた~!!って感の推理小説があります。
折原一さんの
「叔母殺人事件~偽りの館~」
です。
タイトルがあまりにもベタでおもしろかったので読んだんです。
結構タイトルに一目ぼれするタイプのようです私って。
その上、帯に書かれていた
「最後の一ページまで衝撃の連打!連打!」
この”連打!連打!”に吸い込まれてしまったようです。


ある程度予想はたてて読んでたので、「やっぱりね」って思うところもあったんだけど、トータル的に見ると
「やられた~!!」
ですね。
なぜか???
それは―


まず簡単に内容を。


洋館で起きた殺人事件。
屋敷には意地の悪い実業家の女主人とその甥が住んでいた。
自分の財産相続にふさわしいかを見抜くために甥を屋敷に呼び寄せていた。
しかし、叔母の財産を狙う甥は殺人計画を練り実行に移す。


事件後、ノンフィクション作家である<私>は、甥が書いていた手記を入手するため、甥の心情を理解するため、屋敷に住み込むことに。
そして事件を追体験していくことに。



帯に書かれていた「最後の一ページまで衝撃の連打!連打!」は本当に”連打!連打!”でした。


物語は作家の<私>と甥の手記が交互に出てくるんです。
これが微妙にシンクロしているから”事件の追体験”を思わせてくれるんです。
登場人物も少ないので、私の中では「きっとこの人は○○なんだろうな~」(○○を明かしてしまうと”連打!連打!”を味わえないので、ここではあえて意味不明な状態にしておきます)って思うことができたんです。
実際その点は正解だったんだけど、これが一人ではなかったから
「やられた~!!」
なんです。


小説の一ページ目から実はやられていたんですね。
よく読むとヒントがたくさん散りばめられているのに、見事にやられました
だから、二度読み直したところもあります。
どうやってやられたのかを知りたくて。
読み直すと「ホンマや~。見事に思い込み状態に入ってしまってる…」と実感できました。


詳しいことを書けないからきっとみなさんには意味不明で読んでもらってると思うんです。
ごめんなさい。
推理小説は「やった~!思ったとおりだった!」っていう読後感は最高なんですが、「え~!!完璧に作者の趣向にハメラレタ…」ってのも実はうれしかったりもするんですよね。


この小説は映像化には不向きかな!?
自分の頭の中で人物の顔!?を作るからこそ、この小説のおもしろさがあると思います。
映像化されちゃうと、
”連打!連打!”
が味わえないからです。
またみなさんには意味不明な文章になってますよね。
あ~!この小説を読んで
”連打!連打!”
を味わってほしいんです。
私が詳しく書けない理由がわかってもらえると思うから…。


razz_0120 at 10:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年11月01日

山村美紗「京都・十二単殺人事件」

晴れたと思ったらまた雨で
毎日天候がコロコロと変わりますね。
そして、相変わらず暑い…。
トレンチを羽織っても、帰りには暑いので手に持って帰る毎日。
なので、昨日からトレンチなしで通勤してます。


こんなに暑いと今年も紅葉シーズンは遅いのかな?なんて思ってしまいますが。
みなさんは紅葉を楽しみにどこかへ出かけられる予定ありますか?
私は毎年のことながら京都ですね。


京都と言えば↓↓↓
ベタベタなタイトルで、ベタベタな推理小説作家・山村美紗の「京都・十二単殺人事件」を読みました。
この小説は短編6作品が収録されている推理小説。
最近はず~っと長編小説を読んでいたので、短編はちょっと物足りないですね~。
浅いと言うか、淡白と言うか
読みやすいと言えば読みやすいですけどね。


山村美紗先生と言えば「トリック」ですよね。
この6作品も見事トリックのオンパレードです。
「密室」「カラクリ」「列車」「アリバイ」等、殺人事件には欠かせない要素が盛り込まれています。


その中の1作品「京都堀川陣屋の殺人」なんて、超カラクリ殺人です。
ここは二条城の近くにあるいわゆる”カラクリ屋敷”。
私も前からココへ行きたいと思っているんですが、事前予約制なので、なかなか行けてない所なんです。
その”カラクリ屋敷”を舞台に、キャサリンがいつもの如く殺人事件に遭遇するわけです。
容疑者は浮上するけど、殺人実行時間にはアリバイがある!
まずアリバイを崩し、そして、死体が置かれていた状況のトリックを暴くんです。
忍者屋敷のようなので、人目に触れず死体を隠し、そして、カラクリを利用してアリバイを成立させる!
王道の推理小説です。
図式も載っているので、ますますこの「堀川陣屋」に行ってみたくなりました。


もしかしたら私もキャサリンになれる!?ムリムリ。

razz_0120 at 10:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年10月19日

メアリ・H・クラーク「揺りかごが落ちる」

好きな本は何度も読み返しますか?
ラブストーリー、エッセイ、学術系なら何度読み直しても「うん、うん」とうなずけるんですが、私は推理小説を何度も読むんです。
「推理小説は読み捨てじゃないの?」って言われたことあるんですが、私は記憶力が悪いため、かなり前に読んだ小説でも内容を覚えていなかったり、犯人や動機をすっかり忘れていることもしばしば…
なので、学生時代に買った推理小説をもう一度読んでみました。


メアリ・H・クラークの「揺りかごが落ちる」です。
当時、日本の推理小説からちょっと背伸びして海外推理小説にハマっていたんです。
その時に概要だけみて買った本だったんです。


全くどんな内容かも思い出せず……だったらこの際読み直してみよう
手に取るとビックリ!!
本は黄ばんでいて、ちょっと臭い…
図書館にある古い本の匂いって感じでした。


読み始めてな~んとなく「こんな話だったか~」って思い出したんですが、でも、ほとんど覚えてない状態。
だから、余計に楽しめました。
初めて読んだ新鮮な感じがあったんです。


不妊治療にスポットがあったいるんです。
子供が欲しい夫婦、どうしても子供を諦めないといけない女性。
そんな人たちを自分の名誉のために犠牲にして満足感に満ち溢れている犯人。
こんな人が崇拝されている医者だと思うと恐ろしいです。
まぁ、これは小説の世界ですが。


この小説は登場人物全てにスポットがあたっていて、どの登場人物も心理描写がしっかりしているんです。
犯人は誰かすぐにわかるようになっているんですが、何でこんなことするのか???っていうのが最後の最後までわからないんです。
飽きない内容で読みやすかったです。


【あらすじ】
検事補ケイティは、車の運転中にハンドル操作を誤り事故を起こしてしまった。
運ばれた病院で朦朧とした意識の中、窓から駐車場を見下ろすと1台の車のトランクから苦痛に歪む女の顔がのぞいていた。


その時、彼は2階の部屋を見上げていた。
まさかあの窓から誰かが見ているのではないか?
死体を運び、偽装工作をした後、彼は死体の靴の片方がないことに気付いた。
他の靴を死体に履かせると、なくなった靴を半狂乱で探し、病院の駐車場でやっと見つけ出した。
あの病室の患者がどういう人物かを調べなくては。


翌朝、退院したケイティは姉モリーから、隣に住んでいる妊婦のヴァンジーが自殺したことを聞かされる。
悪夢と思っていた昨夜の光景、あの死体の顔はヴァンジーではないか。


一方、ヴァンジーの自宅に駆けつけていた検視官のリチャードは、ヴァンジーの夫クリスの態度に不信感を持っていた。
彼は何かを隠している。
なぜあんな窮屈な靴を履いていたのだろう。


続いて病院の受付係エドナが死体で発見された。
死ぬ前にクリスに電話をかけていたのが判明したのだが―。

                    

この前BSでドラマ放送があったんです。
タイトルを見た時に「もしかして、私が持ってる小説?」って思ったら、そうでした。
でも、録画し忘れて見逃してしまいました。
見たかったな~。

razz_0120 at 10:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年09月24日

東野圭吾「パラレルワールド・ラブストーリー」

東野圭吾の「パラレルワールド・ラブストーリー」を読み終わりました。
パラレルワールドとは異次元の世界。
小説は2つの物語から成り立っています。


主人公の崇史と親友の智彦は大学院を卒業後、外資系のコンピュータメーカーのバイテック社に入社し、優秀な人材を送り込むMACという専門学校で研究員として働いて(研究して)いた。
ある時、親友の智彦から「恋人を紹介したい」と告げられ、崇史は女友達を連れていく。
目の前に現れた親友の恋人は、崇史が以前通勤中、平行に走っていた向こう側の電車の中にいた”彼女”だった。
崇史は驚くが、”彼女”は自分のことに気がついているのだろうか?と気にかかる。
智彦は幼い頃の病気が原因で足が不自由だった。
そのせいで智彦はこれまで何人もの女性にフラれてきたのだが、麻由子は今までの女性とは違っていた。
麻由子もMACに入学し、崇史・智彦・麻由子の3人が同じ職場で働くことになった。
研究テーマは「バーチャル・リアリティ工学」。
仮想現実を作ろうとしているのだ。


このストーリーと同時進行するのが次のストーリー。


大学院を卒業した崇史はMACを終了し、バイテック社に研究員として入社する。
崇史には恋人で同僚でもある麻由子と同棲生活を送っている。
崇史はバイテック社で”記憶”に関する研究を行っている。
中学時代から大学まで同級生だった智彦も同じバイテック社に勤めている、が、最近どんなことをしているのかは分からなかった。
何故自分は親友である智彦のことをあまり覚えていないのか?と疑問が生じる。
そして麻由子は実は智彦の彼女ではなかったのか?いや、そんなはずはない、と過去の記憶に矛盾を持ち始める。




ひとつの章で現在と過去の2つのストーリーが進んでいきます。
途中でちょっとややこしくなったりもしますが、どうやって現在に至ったのか?過去の記憶はいったいどうなったのか?と読み進めるにつれてすごく気になります。


東野圭吾作品は一般的な”推理小説”とは違うので、読んでいると楽しいですね。
この「パラレルワールド・ラブストーリー」はタイトル通り”ラブストーリー”です。
親友の恋人を好きになってしまった主人公が「友情をとるか、愛情をとるか」で悩まされます。
その片方(ここでは言いません)を選んでしまったことが、現在と過去が複雑になった現在を送るハメになるんです。
もし、違った方を選んでいれば…そしたらこの小説は成り立ちませんね。
エンディングは主人公がこの先どんな生活を送っていくのか、どんな研究をしていくのか、ちょっと気になります。


この本をくれた人は東京本社にいるんですが、仕事で電話した時に「今、「パラレルワールド~」読んでます。先が気になって気になって」って話をしたら、「おもしろいでしょ~。好きな小説の上位に入るんだ」って言ってました。
私は自分が好きなジャンル(典型的な推理小説)しか選ばないから、こうやって他の人から薦めてもらった本を読むと、読書の幅が広がってすごくいいですね。

razz_0120 at 14:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年09月05日

ダナ・レオンの「ヴェネツィア刑事はランチに帰宅する」

通勤中の私の読書本は先日”読まなきゃ”で紹介した「パラレルワールド・ラブストーリー」です。
その前に読んでいたのが海外推理小説で、ダナ・レオンの「ヴェネツィア刑事はランチに帰宅する」だったんです。
これは内容云々ではなく、タイトル=ヴェネツィア刑事に惹かれました。


★本の内容★
ヴェネツィアの中年警視ブルネッティは、訪ねてきた女子大生から「亡くなった人が生前受けた判決を撤回することは可能ですか」と聞かれます。
亡くなった人というのが、女子大生の祖父で戦中にヴェネツィアで権力を濫用し、数々の美術品を手に入れた悪名高き人物だったんです。
ブルネッティは様々な人から当時の様子を聞くうちに、女子大生が刺殺死体で発見されます。
彼女が祖母と慕っていた女性から、彼女のことや、彼女の祖父との関係などを聞き、さらに調査を進めていると、今度はこの祖母が急死したとの連絡を受けます。
ブルネッティは高価な美術品がこの事件と関係しているのか?
女子大生の交友関係に何かがあるのか?
最後の最後に思わぬ形で謎が解けていきます。


タイトルの通り、ヴェネツィア刑事であるブルネッティのランチタイムは家での家庭料理なんです。
イタリアはシエスタと言って、ゆっくりと昼食を楽しむ制度があります。
ちょっと日本では考えられませんが…。
家に帰って奥さんが作るイタリア料理を食べるシーンもたくさん出てきます。
海外小説は知らない世界がたくさん表現されているので、読んでいるだけで楽しくなってきます。




小説を読んでいると、ヴェネツィアの街をいろいろ思い出したんです。
小さな運河が張り巡らされているヴェネツィアは、ゼッタイ!と言っていいほど、迷子状態になります。
この迷子が楽しいんですよね。
ヴェネツィアのメイン広場であるサンマルコ広場に必ず辿り着けるように案内板があっちこっちに出ているので、最後はその案内板に従って歩けば必ずサンマルコ広場に辿り着けます。
だから、迷子になって細い路地を歩くのも楽しいんです。


ヴェネツィアに住む人々の交通は”船”です。
運河の上に家があるので、1F部分は駐車場ならぬ駐船場になってます。
船から下りて階段を数段のぼると玄関…という日本ではなかなか見れない光景ですね。
ちゃんと船の駅があるんですよ。



イタリアへ旅行した時の写真です。
観光客しか乗らないであろう”ゴンドラ”に乗って、優雅に運河クルーズを楽しみました。
ゴンドラからの写真なので、下からの風景になっています。
こちらは”ため息橋”と言われている橋です。


”ため息橋”なんてちょっと素敵な名前ですが、名前の由来を知るとロマンティックとは程遠い悲しい橋なんです。
この橋はドゥカーレ宮殿と牢獄をつないでいます。
牢獄から運河を挟んで反対側の処刑地に引かれていく囚人達が、この世との別れを惜しんでここでため息を漏らしたことから”ため息橋”と呼ばれるようになったんです。


旅行する前まではロマンティックな由来があると勝手に想像してたんですが、ガイドさんから話を聞いたときはショックでした。
ドゥカーレ宮殿の中を観光した時に”ため息橋”の中を歩きました。
ちょっと複雑な気分になったのを覚えています。




だいたいヴェネツィアの橋はこんな感じです↓↓↓
ゴンドラに乗っていると船頭さんの頭が打つのでは???と心配しますが、さすがプロです。
簡単に頭をさげてこの橋の下を潜り抜けます。
もちろん船頭さんの♪サンタ~ル~チ~ヤ~ サンタ~ルチ~ヤ~♪の歌声を聴きながら…。


橋の左右に標識があるのがわかりますか?
運河と言ってもヴェネツィアでは道路と一緒なんです。
だから、ちゃんと交通規制があるんですよ。



推理小説を読みながら、その国や都市を思い浮かべるのも読書の楽しみ方のひとつですね

razz_0120 at 14:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)